3-12.神 vs 人
2011年以降、Googleの大幅なアップデートで、検索圏外に飛ばされ、売上が激減😱
解決の糸口が全くつかめません!
いよいよ廃業の危機が・・・
この時は、Google様が絶対の力を持つ「神」に見えました。
「神」に逆らう人の非力さといったら・・・
ああ無情・・・
このまま座して死を待つしかないのか?
もっと他にできることはないのか?
実は、以前、一度、着手したものの暗礁に乗り上げ、放置したままのプロジェクトがありました。
私がサポートしていた心理療法スクールは、ある独自の特徴があったため、北海道から沖縄まで、時には海外からも受講生が訪れていました。
しかし、その特徴は、分かる人には分かるのですが、逆に言うと、分かる人にしか分からないビミョーなものでした。
このような時の集客の鉄板は、お客様の体験談を掲載することです。
しかし、競合のホームページも似たような体験談が載っていて、違いがよくわかりません。
物販なら、他の商品との違いを簡単に見せることができます。
しかし、心理療法は心の中で起きる変化が売り物なので、その違いを見せるのが、極めてむずかしい・・・
このように、集客ルートの問題とは別に、他社との違いが分かりにくいという大きな問題がありました。
競合他社とは一目で違いがわかる商品サービスが必要でした。
3-13.動画の時代!!
もともと、会社員を退職したときに、
「これからは動画の時代!」
と声高に叫ばれていました。
私自身もそれは痛感していました。
すでにアメリカでは、インターネット・マーケティングで、動画が使われているのを、目にする機会が増えていたからです。
そのために、私は退職金の一部を自己投資して、大学院に通っていました。
大学院では、デジタルコンテンツの制作技術やマーケティング手法を学んでいました。
その中でも、動画を使ったeラーニングと、リアルの実習を組み合わせたブレンディッドラーニングを研究していました。
教育工学とも呼ばれる分野です。
IT系のエンジニアの養成には、とても相性がよく、インターネット産業の急拡大するのと共に、インターネットを使った新しい教育サービスも急成長していました。
これを心理療法の分野でも応用できるのではないかと思いついたのです。
デジタル教育コンテンツを商品サービスとして提供している同業他社は、まだ存在しませんでした。
しかし、デジタル教育コンテンツを開発すれば、遠方からわざわざ交通費と宿泊費をかけて、東京に来てもらう必要がなくなります。
受講生のメリットも大きいので、大きな差別化要因になると考えられました。
当時の日本の状況は、eラーニングといっても、通常のセミナーを録画して、DVDに焼いただけのものがほとんどでした。
実はそういう録画教材を見ながら独学すると、集中力がすぐ落ちて、眠くなります。
最後まで学習を続けることがとても難しいのです。
放送大学の講義を見たことがある方は、すぐお分かりになるかと思います。
先生がすごく役に立つ内容を話しているのですが、ただ座って視聴していると、正直、退屈でたまりません。
1回目の講義を何とか最後まで見て、2回目、3回目の録画予約をしても、それを視聴するかどうかは、受講生のモチベーション次第になってしまいます。
卒業するためにどうしても単位が欲しい学生なら、どんなに退屈な授業でも、視聴せざるをえないのは、リアルの通学制大学でも、放送大学のように遠隔教育を活用した大学も同じです。
しかし、民間スクールの場合は、デジタル教育コンテンツが退屈で、最後まで見てもらえないのは、致命傷です。
リピート購入のチャンスを失い、事業収益の観点から、大きなマイナスだからです。
動画教材を作るのは一見簡単なようですが、実は諸刃の剣なのです。
逆にそこをクリアできれば、大きな参入障壁になります。
同業他社が、見た目だけ真似して、安易に動画を使った商品サービスを投入してきたときに、デジタル教育コンテンツの制作理論や技術がないと、ほとんどの場合、退屈な動画教材となり、評判を押し下げるからです。
YouTubeのような無料コンテンツでも、退屈な動画を流していると、有料の講座・セミナーもつまらないだろうと思われ、かえって客足を遠ざけるので、要注意です。
イメージアップのつもりが、ダメージアップになっては、目もあてられませんね?
3-14.デジタル教育コンテンツの開発へ
とはいえ、心理療法の分野で、ただ録画しただけのDVD教材はありましたが、教育工学的な観点から製作された教材は見当たらず、開発は多難を極めました。
デジタル教育コンテンツ開発の企画自体は、まだ売上が順調な頃からスタートし、資金的にも余裕があったので、外部の映像制作業者に依頼したことがありました。
しかし、こちらの要求水準が高すぎて、たぶん先方の採算が合わなくなったのでしょう。
途中で連絡が取れなくなりました。
以後、ずっとそのまま放置していました。
しかし、もうできることをすべてやるしかありません。
ゼロベースで企画を仕切り直し、プロジェクトを再開しました。
撮影も、編集も、すべて私自身が行いました。
何度も何度も撮影をやり直し、編集にも多大の時間がかかりました。
途中で挫折し、諦めかけたこともありました。
でも、大学院で、テレビ局の現場で撮影や編集をしているプロの教員から直接学んでいたことが、ここにきて大いに役立ちました!!
結局、お客様に提供できる水準のデジタル教育コンテンツが完成するまで、スタートからあしかけ3年かかりました。
しかし、完成した喜びを味わう余裕はまったくありません。
なぜなら、その頃には貯金はすべて底をつき、コンビニのおにぎりを買うお金すらなくなっていました・・・
もうどうしたらいいのか?
お先真っ暗・・・😩